東北紀行(81)銀山温泉 「小関館」
「湯けむり」が導くロマンチックストーリー・・・、
銀山温泉の温泉街を形づくる旅館は10軒強と決して多くはないが、実際に大正時代から建つ建物だけでなく、後から増築や改築などを行う場合でも正面付近は大正時代の雰囲気を保つように配慮されているようである。
逆に、奥の方の間取りや水周りの設備、昇降施設などは近代的に整えつつあるようで、現に能登屋などは上り下りのエレベーターやシステムバスなども設置されているようである。
従って、湯治場風に昔の面影をそっくり残していて、軋む廊下や磨り減った階段、障子を開くと殺風景な部屋など、今で言う不便さを厭わないノスタルジックな様相を期待すると裏切られることもありそうだ。
銀山温泉の大小を問わない宿泊所は、大方、食事つきのそこそこのサービスで、値段もそこそこになっているのである。
昔の姿を留める・・?、「小関館」
但し、小関館は木造三階建で、館内は時代劇に出てくる旅籠のような感じだという。
床も軋むし、お隣さんとはふすま1枚で仕切っただけの部屋で、館内全体が往時のままの姿であるという。
プライバシーなど関係なく、昔も面影を懐かしみ、旅にロマンを感じたい人にはお勧めかもしれない。
ところが、レトロな銀山温泉の代表格とされ、内外とも惚れ惚れするような佇まいの小関館は、玄関先に「休業」という手書きの張り紙がしてあった。
但し、歓迎の看板には「日帰り入浴歓迎します」と書かれていた。
近年まではごく普通の宿であったが、いつの間にか立寄り「のみ」、日帰り温泉客のみの休憩施設になってしまったらしい。
旅心をもつ人々に好かれた宿も、現代版、普通の観光客の所謂、苦情やコメントには対応しきれなくなったのかもしれない。
或は、改装、改築のための一時休業か・・?定かではない。
次回、銀山温泉の足湯・「和楽足湯」
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