東北紀行(55)乳頭温泉 「乳頭温泉郷の秘湯」 、
乳頭温泉郷の概要地図 (tga80)
秘湯;乳頭温泉郷の一角には七つの一軒宿の温泉、すなわち孫六、黒湯、蟹場、鶴の湯、妙乃湯、大釜温泉など野趣満点の温泉がある。
尚、この温泉場は次回に訪問を予定にしているが、その内、温泉や建物等を比較して、秘湯中の秘湯といわれる二軒の温泉宿を紹介しておこう。
「黒湯温泉」
乳頭温泉郷の「黒湯温泉」の様子 (tga81 tga82)
乳頭温泉郷の中では最も奥にあり、秘湯の代表として雑誌に紹介されることの多い宿である。
歴史も古く江戸時代から人々に親しまれてきた萱葺き屋根の湯治場で、その歴史も古く鶴の湯と同じく秋田藩主の湯治場として、又、地元の人々や山に入るマタギ達の、疲労回復や持病治療のための温泉として親しまれてきたという。
特に、黒湯温泉は打たせ湯が有名で、その様子がしばしばテレビや雑誌で紹介されている。
乳頭温泉の中ではもちろん、全国的にも人気が高い宿のようだ。
乳頭温泉の中では、鶴の湯が一番人気だが、かつては、ここ黒湯温泉が一番人気だったらしい。
建物の脇を通りぬけると、硫黄の噴出す河原の中に露天風呂があり、他にも屋根は茅葺きで柵も曲がった木でできていて、このワイルド(野性味)さがとても絵になっている。
浴槽は内風呂、露天風呂、女性専用露天風呂、打たせ湯なので、泉質は主に「単純硫化水素泉」
但し、11月中旬~5月中句までの冬季積雪期間は休業らしい。
「孫六温泉」
乳頭温泉郷の「孫六温泉」の様子 (tga83 tga84)
当地を整備したのは自ら湯治に来た「田口久吉」という人物で、生来病弱だった彼が、江戸期の慶応末期に自ら温泉療法を始めて体質改善を果たし、広く世の患者に恩恵をもたらしたという。
そして、その効能を知った田口は1906年(明治39年)に湯治場を開き、その後長く湯治場として営業してきたという。
現在も、山小屋風の一軒宿はひっそりと茂る林の中に在り、雰囲気がとても野趣満点でいかにも湯治場といった素朴な佇まいを有している。
泉質の違うラジウム含有泉をはじめ四ッの浴場と露天風呂がある湯治場で、乳頭温泉ではここが1番湯治と言う言葉が似合う宿とされ、別名、「山の薬湯」とも言われて湯治客も多くいる。
孫六温泉は、黒湯温泉または大釜温泉に車をおいて、ここから其々10分、15分歩いていくことになる。
簡素な宿舎や湯小屋が立ち並び、客室は15室、他に20名を収容できる自炊部がある。
風呂は先達川の河畔に並び、全部で6ヵ所の内湯・露天風呂がある。
次回、「田沢湖」
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