東北紀行(5)いわき湯本 「湯本温泉」 、
一方、炭鉱にとって煙たい(石炭だから・・?)存在だった湧出する温泉は、逆に脚光を浴びた。
元より「湯本温泉」は、平安初期には開湯されたと言われる。
湯本温泉は「三箱の御湯」と呼ばれ道後温泉、有馬温泉と共に日本の三古泉として名が知られていた。
但し、一般にいわれる日本の三古泉は、「万葉集」「日本書紀」「古事記」など歴史上の文献に数多く登場している有馬温泉(兵庫)・白浜温泉(和歌山)・道後温泉(愛媛)とされている。
湯本温泉で最も古い記録は、平安中期の延長5年(927年)、延喜式神名帳に「陸奥国石城郡小七座・温泉(ゆ)神社」(通称・おんせん神社)と記してある。 しかし、奈良時代に石城国が設置された時に、その名が記されていることから、開湯はそれ以前の奈良時代に遡るとも言われる。
中世には戦国大名の来湯も多くあり、江戸時代は陸奥・浜街道唯一の温泉宿場町として、来遊が絶えなかったという。 当時、岩城、佐竹、田村氏などの戦国領主が湯本に湯治に来ていたことが記録されている。
また、江戸期には鳥居・内藤氏の所領であった時期、浜に街道が整備されたとき唯一の温泉宿場として大いに栄え、年間約2万人前後の浴客で賑わったともいう。
当時の温泉は、地表に勢い良く湧出していたとされる。
だが、明治期になると常磐地区で大規模な石炭採掘が始められ、坑内に湧出する温泉を汲み上げため温泉面の低下を来し、大正期には湯脈が断たれ温泉町として機能を失ってしまったという。 そして石炭産業が斜陽になってからは、再び、温泉揚湯会社を設立し、毎分5トンの揚湯を確保したという。
幸いなことに現在は揚湯にも拘らず、年々温泉面は上昇しているとのこと。
源泉は、石炭採掘の為の後遺症で現在自噴箇所はないが、地下数十メートルぐらいまで湯面が上がってきているといわれ、 揚湯量は毎分5トンを超え、町内の地下パイプを通し各施設に配湯し、浴槽の吐湯口で50度以上を保っているという。
今で言う、「源泉純粋かけ流し」であろう・・!。
泉質は全国的にも珍しい「含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉」俗称、硫黄泉で、「美人の湯」(美肌作用・解毒作用・末梢血管拡張作用)、「心臓の湯」(血圧を低下させる~動脈硬化、高血圧に効く)、「熱の湯」(高齢者向き~保温効果が高い)を始め数々の効能を併せ持っているといわれる。
湯本駅前から温泉通り沿い、温泉神社前通りに温泉街が広がる。
旅館、ホテルは駅前地区と御幸山地区に軒を並べ、その数およそ30軒、その他の宿泊施設を合わせると50数件にもなる。 共同浴場は3軒存在し、足湯もある。
その中で温泉神社前にある「さはこの湯」は、日帰り入浴施設として町民や観光客親しまれている。
その絶え間なく噴き出る源泉は、レジャー・保養施設、宿泊施設のみならず、今は一般家庭にまで引湯され、昨今の温泉ブームにのって街は活況を呈しているとか。
特に、炭鉱閉山の後は、同経営母体・常磐興産が大量湧出する温泉に眼をつけ、常磐ハワイアンセンター(現、スパリゾート・ハワイアンズ)なる常夏の大温泉レジャーセンターを設立し、全国にその名を知らしめた。
「スパリゾートハワイアンズ」は遊び感覚いっぱいの温泉リゾート施設であ、ウォーターパークといわれる大プール、流れるプール、ワンダーホルンなどの施設があり、特に、中央メーンステージでは、ここの一番の呼び物のその名の如く「フラダンスショー」が定時的の演ぜられる。
建物は、鉄骨ガラス張りの大ドームが特徴的である。主な施設としては、水着で入るスプリングタウンには中世の南ヨーロッパ風ドームの男女別共同風呂を中心にジャグジー、ミスト、打たせなど各種の風呂もある。
屋外へも繋がっていて、そこには温泉の川や洞窟プロムナード、パノラマサウナがあって木々や岩などが配され南国ムードを一層盛り上げている。
又、「江戸情話与市」は、ギネスブックに登録されたといわれる世界一広い露天風呂であるとのこと。
次回、映画「フラガール」
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