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吉幾三:ふだん着の温泉
東北紀行(70)泥湯 「泥の湯と湯宿」 ,
(写真集は次項に記載してます)
さて、本命の泥湯温泉へ戻って、泥の湯を楽しむことにする。
「地獄」からの帰りしな温泉街を上から覗くと黒屋根、赤屋根の建物が10数、軒を並べているが、実際は3軒の旅館があるのみのようである。 棟数が多いのは温泉棟や別館、別棟なのであろう。
温泉宿は木造の宿・奥山旅館、小椋旅館、民宿・中山荘などがあるらしいが、何れも日帰り、立寄りの湯を行っているらしい。
その内の一軒、この温泉郷の最も奥まったところにあり、規模も一番大きそうで湯槽の多そうな奥山旅館を訪ねることにした。
奥山旅館が営んでいると思われるY字路の先端にある小料理兼雑貨屋のような店先で入浴料金を支払う。
聞くところ、湯の場所は道路を挟んだ両側に在るらしく、大露天風呂と小ぶりで木製の露天風呂を持つ二つの温泉棟があるらしい。
先ずは、雑貨屋から見て道路左側、山あいに建つ名物の大露天風呂へ向かった。
文字通りかなり大きな浴槽で、一見、乳頭・「鶴の湯」の大露天風呂を彷彿させる。
湯泉の色合いも乳白色で似たところがある。
しかし、やはりこちらは名前の泥湯と謳っているだけあって、粘っこくトロミが感じられる。
実は最近までは底の灰色の泥が溜まっていたそうで、正真正銘の泥の湯だったらしい。
それが証拠に、仕切り壁には泥でなぞった手形がベタベタと張ってあるのだ。
今は残念と言おうか、底にはサッパリした砂利敷きが施してあるのみである。
手形のある仕切りの壁の向こうは当然女性用の湯船であるが、一昔前までは仕切りの無い、男女混浴の巨大な露天風呂だったらしい。
入浴客、特にスケベな男性諸氏のマナーの低下が原因らしく、今は男女別となってしまったという。
この乳灰色の大露天風呂のお湯は「天狗の湯」と呼ばれているらしい。
昔、病気の乙女が透明なお湯に入るのを恥ずかしがっているのを見て、天狗が乳白色のお湯に変えてくれたという伝説が残っているという。
さて、余りのんびりはしておれず、次に向かいの別棟、温泉棟へ向かうことにする。
前もそうであったが、玄関を潜っても湯屋番などは誰もいなく、「勝手にお入りください」
と云わんばかりである。
早速、湯舟に向かうと脱衣所よりも一段と低くなっており、周りを岩に囲まれて洞窟岩風呂といった趣である。
浴室は結構広く、特に泉質は先ほどの泥湯・・?と違って透明感のある白色でさっぱりした湯加減である。
すぐに離れの露天風呂に向かった。
内湯を抜けて露天風呂に出ると、木でできた二つの湯舟がある。
正面の駐車場側には葦簀の目隠しが、反対側は山の斜面となっているため、景色はあまり良くないが、屋根付で雨の日などは好都合かも。
同じ大きさの湯舟が二つあって、一つにつき10人程度は入れそうだが、折角だから二つをまとめて一つの大きな湯舟にした方がいいのではないかとも思った。
それとも泉質が違うのかな・・?、こちらの湯も乳白色の半透明で底まで見える程度である。
と、突然上の方女性の声がした。
内の上さんも入っているはずであるが、そうではなさそうで他の女性グループらしい。
浴槽は一段の高めにあるが、こちら側とは行き来できるのでやはり混浴風になっているらしい。
普通、混浴の浴槽は一つの大きな湯船に、男女が和気藹々のうちに浸かっている状態を思いうかぶが、だが、こちの混浴というのは7~8人くらいの小さな浴槽が三箇所(四箇所・・?)有って、男女どちらの浴槽にも入ることができ、一種、家族風呂のようにも思える洒落た造りと言えなくもない・・?。
奥山旅館のすぐ近く、空き地のような駐車場に車を止めてあるが、すぐ前はやや小規模な地獄が広がっていて、こちらもアチコチから白い噴煙を上げていた。
手前に小さな小屋に子供が二人でじゃれている姿の石像があり、そこには「目洗いの湯」という表示があって小さな湯槽があった。
小生、連日のパソコン操作、ネット検索で“お目が少々お疲れ”なので、一礼をして早速行ってみた。
酸性湯なのでやや沁みる感じであるが、何やらご利益が有りそうな気がしないでもない。
隣には木の縁で造られた「足湯」があり、今は青天井で何も無いが、雪のシーズンには東屋らしい屋根と風除け(雪除け)の簾が付くらしい・・?。
次回、本文関連の写真集は次項に記載します
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