google.com, pub-6886053222946157, DIRECT, f08c47fec0942fa0 世界遺産・日光大紀行: 世界遺産・平泉(15) 「構成資産:毛越寺」

2012年4月17日火曜日

世界遺産・平泉(15) 「構成資産:毛越寺」

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世界遺産・平泉(15) 「構成資産:毛越寺」 .  




毛越寺庭園.jpg
毛越寺庭園の「大泉が池」

毛越寺本堂.jpg
平成期に創建された本堂




先ず、毛越寺はモウエツジではなく、モウツウジと読む。 
通常、越という字をツウとは読まないが、越は慣用音でオツと読むらしく、従ってモウオツジがモウツジになり、更にモウツウジに変化したとされる。

寺院縁起書によると、9世紀半ば慈覚大師が東北巡遊の折この地を訪れて、「この地は霊地であるから堂宇を建立するなら仏法が広まるであろう」と告げ、大師は薬師如来を授けて一宇の堂を建立し嘉祥寺(かしょうじ)と名付けたという。
これが毛越寺の開山とされている。

その後、藤原氏二代基衡から三代秀衡の二代に亘って多くの伽藍が造営され、往時には最大で堂塔40、僧坊500と、「吾妻鏡」(東鑑:あずまかがみ、鎌倉期に成立した日本の歴史書で、源頼朝から鎌倉後半期まで記されている。 鎌倉時代研究の前提となる基本史料とされる)にも記されていて、これは、中尊寺を凌ぐほどの規模と華麗さであったといわれている。


その「浄土庭園」は、平安時代末期の遺構として毛越寺のシンボルとなっており、苑池も中島・庭石の作風を採っていて旧態からの形式(飛鳥,奈良期から引継がれた宗教観や哲学観を庭園に表現したもの)をよく示し、平安時代の伽藍形式として学術上の価値が高いとされる。
庭園は「池泉庭園」と言われる造りで、作者は不明とされるが、いたるところに作庭の意匠が見られることから、相当精通した者の意匠であることが伺えるといわれる。 

広大な池泉を中心として作庭されており、中島が二島、池泉の東南岸に一ヶ所、南側に三ヶ所の出島が作られていて、巨大な立石の中島は亀島ともいわれ、手法が少し傾斜させて据えられているのが風靡を尽くした特徴的とされる。


因みに、「浄土式庭園」とは、平安時代以降に発達した形態で、仏教の世界観を表現した池泉回遊式庭園であることが最大の特徴とされる。
池水は生命の源であり、すべての物を洗い清めることから、俗世間の邪悪から神聖の地を結界する手段として用いられる。 
又、石や中島を配することは、日本人は古来より石や水を神が宿るものとして崇拝し、島の対岸はこの世とあの世を分ける「三途の川」であり、あの世を「彼岸」と呼び、海や川である水がこの世との間に形成されていると信じられていた。

水(海、池)を境にして、日の沈む西方に阿弥陀如来の極楽浄土を、日が昇る東方に薬師如来の浄瑠璃世界をみるという考え方は、浄土教の基本的な理念である。
太陽は西に沈む、しかし一夜明ければふたたび新しく東から昇る。 
一旦没したものが確実に新しく生まれ変わってくる。 それは、西方にこそすばらしい未来の入り口があり、そのすばらしい世界での再生を念じて往く(死ぬ)のである。
即ち、極楽往生というわけである。



毛越寺」は鎌倉期には頼朝による戦乱期にも被災を免れ、その後も鎌倉幕府によって保護されてきたらしいが、1226年に大火災に遭い、更に、戦国期のには兵火に遭って焼失、長年の間、土壇と礎石を残すだけとなっていた。
現在は、浄土式回遊庭園といわれる大池を中心とする庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されていて、国の特別史跡・特別名勝の二重の指定を受けている。
平成元年、平安様式の新本堂が建立された。

毛越寺は、中尊寺、松島瑞巌寺、山形立石寺と共に「四寺廻廊」という巡礼コースを構成している。

【リンク】
※ 毛越寺(公式ウェブサイト) http://www.motsuji.or.jp/
※ みちのく古寺巡礼 四寺廻廊 http://shijikairou.com/
※ 平泉観光協会 http://hiraizumi.or.jp/heritage/index.html


【問合せ】
〒029-4102 岩手県平泉町字大沢58 
TEL 0191-46-2331

【交通】
平泉駅より毛越寺まで0.7km(徒歩7分、車3分)



次回、「構成資産:観自在王院跡



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